ある多言語学習者の断想

ohne Fleiß kein Preis.

『まいにちドイツ語』を聴いて/忘れるとは何か

今日も気になる箇所を抜き書きしておきます。

Vergessen Sie nicht, Reiskräcker für die Rehe zu kaufen!

(忘れずに鹿にやるおせんべいを買ってね!)

 

鹿*1は das Reh (中性名詞)、ですが、ここでは複数形 die Rehe です。*2

直訳するなら、「鹿たちのためのおせんべいを買うことを忘れないでください」みたいなことでしょうか。

忘れるとは何か?

忘れるという言葉は、具体的で物理的な動作や挙動ではなく、極めて内的で精神的な営為を意味しますね。文法上は走る、叩く、食べる、寝るといった動詞と同一カテゴリに含まれます。

動きが見えないけれども、確実に存在する現象。こういった精神的な動詞*3というのは他にも色々とありそうですね。

  • 考える denken
  • 感謝する danken
  • 思う、見つける finden
  • 思う、信じる glauben 
  • などなど

 

ちょっと別の観点ですが、

  • bleiben とどまる*4

これも、「動作の無いことを意味する動詞」であり、ちょっと面白いですね。

 

 

NHKラジオまいにちドイツ語 2018年 06 月号 [雑誌]

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*1:辞書によるとノロジカとのこと。普通のシカとの違いは? 鹿はHirschという男性名詞もありますね

*2:放送内ではここまでの細かい解説はありませんでした。このようにブログを書くに当たって、調べた結果やっと気づきました

*3:知覚動詞という言葉もあります

*4:独独辞典によれば、「場所や席を去らないこと」とあります