ある多言語学習者の断想

ohne Fleiß kein Preis.

『まいにちドイツ語』巻末のドリルでドイツ語!nichtとkeinを巡って

本日の放送は、入門編の復習回でしたね。

 

さて、今日は別の話題へ。まいにちドイツ語テキスト(7月号)のP130から、

もっと!ドリルでドイツ語!

という連載コーナーがあります。今月は否定の表現についての練習問題が掲載されています。自分にとって曖昧なままの分野だったので、まさに、痒い所に手が届く、という感じでありがたかったのです。以下、まとめてみます。

 

nicht 

基本的には否定される語の直前に置かれる。一方で文全体を否定するときに文末に置かれることもしばしば。文全体の否定とはつまり、動詞を否定すること。このことを段階的に理解すべく、不定詞句から考えていきます。

▼例1)heute kommen 「今日来る」という不定詞句 →これを否定するとなると否定される動詞の直前にnichtを置くことになる

 → heute nicht kommen 「今日来ない」 

この不定詞句を使って文を作ると、例えば → Mein Kollege kommt heute nicht. 「同僚は今日来ない」

このように動詞が文の二番目に移動し、nicht が文末に残る。だから全文を否定する時には文末にnichtを置く、という解説がなされることになる。

▼例2)Klavier spielen 「ピアノを弾く」という不定詞句 →これを否定しようとするも、Klavier spielen は結びつきが非常に強いらしく、そこにnicht が分け入らないことになっているらしい。よって

→ nicht Klavier spielen となる。これを文にすると例えば

→ Sie spielen nicht Klavier.

となる。

 

また、nichtは

  • 定冠詞や所有冠詞付きの名詞を否定する
  • 動詞はもちろん、副詞、形容詞なども否定する

私のイメージに過ぎませんが、何というか抽象的なもの、概念を否定する場合にnichtが使われるのだろうと感じております。 

kein 

  • 不定冠詞付きの名詞を否定する
  • 無冠詞の名詞を否定する

こちらについては概ね理解はできているつもり。冠詞の否定版、みたいな捉え方をしています。nichtが抽象的な世界を否定しているのに対して、keinは具体的なもの、目に見えるものを否定している*1ということだと「思います」。

 

 

*1:ある事物をゼロとして扱うような