ある多言語学習者の断想

ohne Fleiß kein Preis.

『まいにちドイツ語』を聴いて/動詞支配型と目的語支配型という言語分類

朝15分の習慣です。今日も引用します。

Ich zeige es Ihnen gern.

「それをあなたに喜んでお見せします」

  • zeigen 「3格(人)に4格(もの)を見せる、示す」 ※英語だと show に近い。

語順に注意。軽い情報は動詞に近く、重要な情報は文末に近づく、という大原則も踏まえ。究極的には“そういうこと”を意識せずに運用できるところまでいきたい。

 

「何か(誰か)に」「何かを」何かするという枠組みの話

今回のzeigen (示す)のように目的物*1を2つ要求する動詞というのはドイツ語によくあります。

 

動詞が文の構造を決定づけている。

動詞の数だけ方程式がある、という気にもなってきます。

ドイツ語だけの話ではないのですが、「示す」という言葉は、その主体(主語)のみならず「何かを、誰かに」という2つの変数を要求することになります。当然と言えば当然なのですが、そういうことになっている。示すことを成立させるためにはこの2要素を見つけださなければならない。

英語やドイツ語というのは、日本語よりも早めに文における動詞が出現します。その出現した動詞に引きずられて言葉が紡ぎ出されます。

日本語は動詞が最後に置かれることが大半です。目的語が先に浮かび、最後に動詞を付加するというような発想。欧米とはそもそもの思考様式が違うのかもしれない。

  • 英語・ドイツ語: 動詞支配型*2
  • 日本語: 目的語支配型*3

このような分類をして楽しんでいます。

 

尚、日本語を喋っていても、自分の思い描いていたこととは異なる何かを言い表わしていたりすることがあります。何らかの慣用表現に引きずられてそうなることがある。

思考は言葉という乗り物に乗っていて、半ば自動的にどこかへ向かう、ということなのかもしれません*4

 

 

 

*1:3格4格

*2:結論重視型?

*3:過程重視型?

*4:このように、思いの外、期せずして、詩的な言い回しに辿り着きました