ある多言語学習者の断想

ohne Fleiß kein Preis.

『まいにちドイツ語』を聴いて/起こる、とは何か

シチュエーション

主人公が、ケータイを無くして困っている。周囲の人にも心配をかけている場面で、自分のズボンのポケットからようやく見つかる、というシーンを経たところでの、主人公のひとことを引いておきます。

Das passiert mir oft.

直訳すると、「これは私にしばしば起こります」。

意訳するならば、「私よくやるんですよ」。更に言うならば、「あるあるなんです」といったところでしょうか*1

実は最初聴いた時に、この部分の意味が取れませんでした。厳密に言うと、意味は分かるが、発言の意図が掴めなかったということでしょうか。

 

passieren を深掘り

独和辞典を当たると、自動詞として

  1. (不都合なことが)起こる *2 Gestern Abend ist ein Unfall passiert. 昨晩、事故があった。
  2. (人*3の身に)ふりかかる Was ist Ihnen passiert? どうされたのですか?

この2つが、挙げられています。上の意味は正にこの2つ目の意味でした。

更に見ると、他動詞として

  1. を通過する*4
  2. (料理において)を裏ごしする

このようなものがあると分かります。裏ごしとは面白い。確かに通過してますね。

passierenを独独辞典を引くとまず、

etwas ist in einer bestimmten Situation plötzlich da und bewirkt eine oft unangenehme Veränderung

ある状況において突然に、そしてしばしば、不快な変化を生じさせる*5

と出てきます。

 

因みにpassierenの関連語として

  • geschehen(一般的に)起こる
  • vorkommen(特に不都合なことが)起こる
  • sich*6 ereignen(特に変わったことが)起こる

がある。今後用心します。

 

 

 

*1:灯台下暗し。探していたサングラスは自分の額、前髪のところにかけていた、みたいな

*2:英語のhappenに近いか

*3:3格

*4:4格を目的語として。他動詞なので当然だが

*5:そんな感じ

*6:4格