ある多言語学習者の断想

ohne Fleiß kein Preis.

『口が覚えるドイツ語』の例文そのものが興味深い

 

CD2枚付 口が覚えるドイツ語 スピーキング体得トレーニング

CD2枚付 口が覚えるドイツ語 スピーキング体得トレーニング

 

 

この紙の本と電子辞書版を持っています。

例文の中に、好みのものが沢山ありますので一部抜き書きしておきます。

Jedes Wort ist ein Vorurteil.*1

(どの言葉も偏見を含んでいる)←私なりの直訳としては「あらゆる言葉はある偏見である」。

偏見 Vorurteil については「 vor 前の + Urteil 判断」のような構造を持っています。先入観という訳も当てられている様子。こんな風にドイツ語で*2言葉を捉え直すと、その言葉が指示している意味や概念や現象を捉え直すことができますね。これも語学の醍醐味と言えませんか。

Gib das Beste, und mach das Leben zum Feste.*3

(最善を尽くして、人生を楽しめ)

韻を踏んでいるところが、心地よい。そうドイツ語って音が気持ち良いなってつくづく思います。程よい「硬さ」がよい。

Die Furcht ist das Unglück, deshalb ist nicht Mut das Glück, sondern Furchtlosigkeit.*4

(恐れは不幸だ。だから勇気ではなく、恐れを知らないことが幸運だ)

 

いいなーと思ったものは、偶然にも全て偉人たちの至言でした。こうして語り継がれるのかな。

 

*1:ニーチェ Friedrich Nietzsche (1844-1900)

*2:母国語とは別の言語で

*3:ゲーテ Johann Wolfgang von Göthe (1749-1832)

*4:カフカ Franz Kafka (1883-1924)