なぜドイツ語を学ぶのか03
よく周囲から訊かれる話題を対話形式で書き拡げておきます。
- 何でドイツ語を学んでいるの
「興味があるからです」
- どうして興味を持ったの
「んー? はっきりした唯一のものはありません。徐々にドイツ的なものに惹かれていったように思います。
例えば、音楽のジャンルとしては、テクノが好きなんですけど、テクノの神と言えば、クラフトワーク。クラフトワークと言えばドイツ。
お酒で言うならビールが好き。ビールと言えばドイツ。
超人で言えば、ブロッケンJr.。ブロッケンJr.と言えばドイツ。
哲学なら、ハイデガーやカント、ニーチェ。彼らは全員ドイツ語を使う。
文学なら、フランツ・カフカやトーマス・マン。彼らはドイツ語を操る」
- うんうん。興味があることは分かった。それでドイツ語を勉強をするきっかけはあったの?
「きっかけと言えばあれかな。
かなり前に、家の近所の大学が無料哲学公開講座をやっていたんですね。たしかカントが主題。どなたでもお越しください、と案内に書かれていたので何も分からないままに参加してみたんですよ。
私と同じ会社員は合計で3、4人。総勢50人弱だったと思います。それぞれごく簡単な自己紹介がありましたが、たいていは大学教員の方や哲学専攻の大学院生や学部生でした。
そこではいくつかのレジュメが配られたのですが、その中にドイツ語のもの、たぶん原典だと思いますが、それがあったんですよ。
それを来ている皆さんはさも当たり前のようにスラスラ読んでいたんですよね。専門家なら当たり前なのかもしれないけど。しかし私にはそれができない。
劣等感、疎外感、悔しさ、“素人が来るな感(これは自意識過剰ってものかもしれないですが)”、俺だって哲学に興味があるのに感、などなど。
色々と入り混じった感情のかたまりを抱え込むことになります。それなら今から学んでいけばいいか、と思い至ることになります。
これがきっかけと言えばきっかけなのかもしれないです」
- そうなんですね。ではその継続のモチベーションや意欲はどこからくるのですか
「そうだなー。自分の趣味を少しだけズラす感じかもしれない」
- ズラす?
※続きは次回に!